2016年04月21日

鬼怒川・常総洪水について

 関東・東北豪雨によって鬼怒川の堤防が決壊、茨城県常総市で発生した洪水氾濫から1カ月余りが経過した。

 以下に二つの図を示す。空中写真は、破堤直後の常総市付近である。地図は同じ場所で、破堤箇所に◯印をつけたものである。
 氾濫した水の拡がりが、地図上の薄緑色の「谷底平野」*1 とほぼ一致すること、特に青い横縞で描かれた「旧河道」*2 の位置で強く流れた様子を示していることが判る。
 *1.川沿いの低く平らな土地を示す専門用語
 *2.かつて川が(一定期間)流れていた跡を指す専門用語
<図をクリックすると拡大表示します>

jousou_fig1.png jousou_fig2.png

 この地図は国土交通省国土地理院という国の機関が作成・公開している「治水地形分類図」というものである。
 図で判るように、治水地形分類図は "溢れてしまった" 後の洪水の動きを予測するのに役立つ情報を伝えている。ここで、この地図に関する詳しい説明をするのは困難なので、国土地理院のサイトへのリンクを貼るに止める。
http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/fc_index.html

 国が(国費で)作成・公開している「地図」には、他にも多くの種類、膨大な図面があるのだが、決して活用されているとは言えないのが現状である。

 メディアでは、直後から堤防の整備や維持管理、避難指示のあり方等についての批判や議論が展開されたが、水害の起きた(洪水流が拡散し滞留した) "地域" に元々潜在している「危険性」についての真剣な議論はあまり多くなかったように思う。
 背景には、第一に、現実に大きな被害を受けて苦しんでいる被災者をさらに傷つけることになる可能性、第二に、この議論が一つ間違うと「そんなところに住むのが間違い」といった、安直で差別的な "自己責任論" を誘発しかねないこと、といったことへの警戒と抑制があったのだと思う。
 しかしながら、今この国は明らかな "気候変動" に直面している。今後の豪雨や台風、竜巻といった気象災害の多くが、「史上最悪」とか「未曾有の」といったいわば「想定外」のものとなる可能性が非常に高くなっているのである。例えば、1時間100ミリなどという雨の降りかたは、30年前であれば冗談とか空想に近いレベルだったものが、今では耳慣れたものとなってしまっている。
 そうなれば、経験的な数値をもとに作られた「施設」や「対策」では対応しきれない状況が、従来より頻繁に出てくることが当然予想される。大規模気象災害は、大地震のような衝撃は無いものの、ほぼ毎年日本のどこかで発生する可能性があるのである。
 東日本大震災(3.11)以降、地震対策の中心が「予知」から「減災」「避難対策」にシフトしたように、大規模気象災害、特に洪水についても、堤防の "高さ" ばかり問題にするのでなく、 "崩れ" たり "溢れ" たりした後の状況やその対応について、もっと真剣に準備しておくことが大切になると考える。
 実は、洪水氾濫の危険性については "古い地名" がよく伝えていることが知られている。今回の被災地域は常総市の東部なのだが、ここは合併前は「水海道市」という、まさに河川の乱流を暗示させる地名だったのである。

本稿は2015年10月26日に他のブログに書いたものです。このブログの開設にともなって転載しました。
posted by Yorifuji.T at 04:41| Comment(0) | 自然災害

2016年04月01日

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2016年4月、ウェブやブログを再構成。
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