2016年04月21日

鬼怒川・常総洪水について(つづき)

 前の記事で述べたことについて、より明快に説明している素晴らしいコメントが毎日新聞に載っているので、以下に紹介する。語っているのは私が最も尊敬する研究者の一人である高橋裕先生である。

そこが聞きたい:鬼怒川決壊の教訓 高橋裕氏
毎日新聞 2015年10月14日 東京朝刊 <一部抜粋>
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 鬼怒川の過去と現在を比べると、水が流れる場所が変わっています。大きな川の堤防が決壊すると、あふれ出た水は昔の流路に沿って流れます。鬼怒川の東側には小貝(こかい)川があり、二つの川は過去に何度も合流と分離を繰り返し、堤防が決壊したこともあります。今回の水害の浸水域は両河川の間に広がりました。あふれた水は二つの川の昔の流路を通り、非常に広がりやすい状況だったのではないでしょうか。川の過去の変遷を加味して水害対策を考えることが重要です。
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 地球温暖化や気候変動で雨の降り方が変化し、これまで大降りがなかった地域でも大量の雨が一気に降る傾向があります。鬼怒川の水害や大きな被害を出した昨年8月の広島市の土砂災害も、こうした雨が原因です。同じような災害は今後、日本のどこでも起こると考えるべきです。そもそも日本は「水害大国」です。残念ながら、日本には戦後、破堤していない川はありません。元々、水害に弱い地域を都市開発してしまった場所も多く、川に近く、人口が多い地域は危険なのです。
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 政府は東日本大震災を経験し、国土強靱(きょうじん)化をうたっていますが、災害をハード整備の予算獲得手段にしてはいけません。国や自治体は、川が過去にどの程度の水害を起こしたのか、戦後70年間にどのような災害が起きたのかを住民に周知することが必要です。そのうえで有事に避難行動を促すソフト面の整備に力を入れるべきです。住民は、自分が住む地域の川で起きた災害を知っておくことによって、どこが危険なのか、どこが安全なのかを理解できるでしょう。そのためにも、義務教育段階から身近な川の水害史を学ぶ機会を増やし、「水害はいつでも起きる」ということを国民の常識にすることが求められます。
[聞き手・鳥井真平記者]
http://mainichi.jp/shimen/news/20151014ddm004070010000c.html

本稿は、2015年10月26日に別のブログに書いた記事の転載です。
posted by Yorifuji.T at 05:02| Comment(0) | 自然災害
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